ポットの抵抗値の誤差
古いコラムを見直していたら、面白い実験をしていたので、再度アップしますね。
ポットを交換すると、「音が変わった」という話を耳にします。何故でしょう・・・?
抵抗体や端子の素材や質量等は考えられる要因の一つですが、その抵抗体の誤差というのも大きな要因の一つだと考えられます。
抵抗体は炭素皮膜で出来ており、そのものの個体・製造のロッド等によってかなり抵抗値が変化します。
上の表は国産とCTSの500kΩと表記されているポットを無作為に15個ずつ選んで、それぞれ1番端子~3番端子間の抵抗を測ってみたもので、単位はkΩです。
表を見てみると、結構な誤差があるものですね・・・。一般的に可変抵抗器には±10パーセント程度の誤差があるのは認識していますが、実際の数字にして並べてみると、結構その差は大きいですね・・・。国産・CTSをあわせると最高値と最低値の差はなんと192kΩでした。
ボリュームポットの抵抗には一般的に250kΩか500kΩものが使われており、250kΩから500kΩに抵抗値を上げると音色的に随分な変化が見られますが、同一の抵抗値と表記されているものでも、それに近いぐらいの抵抗値の変化が見られるという事は音色的にも同様な変化が見られるという事もうなずけると思います。
額田
WSR(リペア&カスタム工房)
熟練の職人技と信念を持つチーフリペアマン・額田誠が率いる、渋谷に居を構える楽器のリペア&カスタム工房です。ギター・ベースの調整、パーツ交換、リペア、改造など幅広いオーダーに対応します。
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