含浸
こちらのピックアップは「含浸」がされておらず、エナメル線が緩んでしまったのか
線が数本コイルから飛び出しています。
あまり聞きなれない「含浸」とは…
ワックスを溶かしてコイルの内部に染み込ませて、熱を冷ますとコイル全体がワックスを含んで硬化させます。
コイルの遊びを無くすことによってピックアップのハウリングやコイル断線の防止になります。
GibsonのPAFやBurstBuckerなどは元々含浸がされていませんね。
特にハムバッカーピックアップは振動でピックアップが共振してしまい、ボリュームやゲインを上げるとハウリングしてしまう場合があります。
ハムバッカーピックアップはコイルだけでなくピックアップカバーでハウリングが起きてしまう事もありますので、ピックアップカバーを取り付ける際にワックスを溶かしてピックアップとカバーをワックスで固定してあげるとピックアップカバーの共振が止まりハウリングも解消されます。
ベースの出す音域としてはハウリングはあまり無いと思いますが、
この写真のピックアップは断線のリスク回避のために部分的に蝋を流してエナメル線を固定してほしいという依頼でした。
山岡
WSR(リペア&カスタム工房)
熟練の職人技と信念を持つチーフリペアマン・額田誠が率いる、渋谷に居を構える楽器のリペア&カスタム工房です。ギター・ベースの調整、パーツ交換、リペア、改造など幅広いオーダーに対応します。
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